エッセイも留学する際の試験において非常に大きな要素です。
志望動機や入学後の目標など、自分がどのような人間かを明確にイメージさせる必要があります。
しかし、エッセイをどのように書いたらいいのかわからない人も多いのではないのでしょうか?
自分のことを何も考えずアピールしていても効果的なエッセイにはなりません。
そこで、この記事では自分を魅力的な受験生に見せるためにどのようにエッセイを仕上げていけばいいのかを確認していきます。
1. エッセイの構成
エッセイを書くためには自分の経験や将来の目標などを具体的に書いていくことが大切です。
それらを論理的に一貫性を持たせることで、「自分が今までどのようなことをしてきたのか」「これからどのようなことをしてきたのか」をわかりやすく伝えることができます。
この2点を伝えるためにエッセイを大きく分けて3つのパートに分けることをオススメします。
エッセイで分けるべき3つのパートは以下の3つです。
- 過去
- 現在
- 未来
それぞれのパートで書くべき内容と、その目的についてしっかりと確認していきましょう。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので、そちらも参考にしてください。
オススメの記事 海外大学院に提出するエッセイは過去・現在・未来の三段階で表現する
2. 自分の今を表現する「現在」の書き方
研究に興味を持ったきっかけについて説明したあとは、現在実際に行なっている研究について紹介します。
きっかけからどのように研究を進めているのか、そして大学ではどのように勉強してきたのかをしっかりと伝えることが重要です。
特に現在のパートでは「過去」から「未来」への橋渡しの役割があります。
将来達成したいと考えている目標のために「現在」どのようなことに取り組んでいるのかを詳しく説明していきましょう。
2.1 現在の行動で説得力を持たせる
説得力のある言葉とは行動を伴っているものです。
現在研究に全力を注いでいない状況で、入学後に研究を頑張りますと言っていても信じる人は誰もいません。
将来達成するべき目標のために、「現在、何をしているのか」をしっかりと考え直してみましょう。
自分の言葉に説得力を持たせるためにも、現在の行動をしっかりとここで描写しましょう。
2.2 エッセイの「現在」で書く3つのポイント
エッセイの「現在」で書くべきポイントは以下の3つです。
- 研究内容
- 研究業績
- 授業内容
これらは大学で行なっていることであり、これらをできるだけ具体的に書くことで「自分が大学でどのような活動に力を入れているのか」を伝えることができます。
これらの内容は推薦状の内容とかぶることがあると思いますが、それも効果的なアピール方法なので推薦状と内容が一致するような内容にするといいでしょう。
3. 研究内容
まずは自分の研究内容について述べます。
こちらでは卒業論文に載せるような内容を要約したかなり深い内容のものにしましょう。
しかし学会で発表するような専門が違っていてもわかるように原理などから丁寧に説明します。
研究背景
まずは研究背景について説明していきます。
どのような問題を解決するために研究を行っているのか、研究成果が社会にどのような影響を与えるのかなどについて詳しく説明します。
この研究内容の意義について詳しく説明することで、研究の大まかな内容を理解させることができます。
アプローチ
研究目的に対して、どのようなアプローチを取ったのかも詳しく説明します。
ここでは研究を行うなかで苦労したことや問題解決をするために自分が行った方法など、できる限り詳しく説明しましょう。
特に研究に対する姿勢などは問題解決をするために行なったことに顕著に出るので、しっかりと研究結果に対して行なったアプローチを書いていきます。
研究結果
最後に書く研究結果は、載せることができる範囲で書きましょう。
研究結果については論文発表の関係で外に漏らすことができないことも多くあります。
研究成果は外に出しても問題のない範囲で書くようにしましょう。
そして一番大切なのが、その結果がどのように解釈されるのかということとそれに対してどのようなアプローチを今後取っていきたいのかということです。
研究業績
学会への参加や論文の発表実績がある人は、それらについても詳しく書きましょう。
学会や論文は客観的に評価できる指標で、これらについて書くことは大きなプラスに作用します。
学会
学会に参加した経験がある人は、どの学会に参加したのか、ポスターなのか、口頭なのか、などについて詳しく説明しましょう。
参加した学会の名前と発表のタイトルも忘れずに載せておきます。
僕は2回の学会に参加したこと、そしてその学会でとても高い評価を得たことについて書きました。
評価については主観的なものになってしまいましたが、他の学生に比べ2回の学会経験は大きなプラスになったでしょう。
論文
論文を発表している方は論文のタイトルについて詳しく書きましょう。
論文も何本出したというように、客観的な評価の対象になりますし、学士や修士ではそれほどの数の論文を出版することができないので、十分アピールになります。
たとえFirst Authorでなくても、論文のどの部分に自分が貢献したのかについて書くことは非常に大切です。
学科内での発表
上の二つに比べると小さくなってしまいますが、学科内でも研究を発表する場はあると思います。
それらの発表の場で自分の研究をしっかりと伝えることができた、質疑応答を完璧にこなすことができたなど、学科内での発表の様子についても書いておきましょう。
僕は学科内での発表を英語にすることで、他の先生からの推薦状とリンクさせて英語で十分研究を発表する能力があるとアピールしました。
授業で学んだこと
授業態度や学習内容もエッセイには必要です。
特に学部時代は授業に参加するのがほとんどなので、授業態度や成績について書くことが重要です。
授業での姿勢
授業ではどのような学生だったのかについて詳しく書きましょう。
特に積極的に発言したり、質問したりすることは海外の大学院ではとても重要になります。
そのように授業にしっかりと貢献できる学生であることをアピールしておきましょう。
成績
成績がいい場合はそれほど気にする必要はありませんが、僕のように成績があまりにも悪かった生徒についてはどうして成績が悪いのかについて詳しく説明しておきましょう。
僕は専門になってからの成績はそれほど悪くなかったので、その辺りのことを詳しく書いていきました。
特に成績はGPAとして残ってしまうので、もし悪い人はGPAの低さをカバーできるものを探しておく必要があります。
その他
そのほかにもリーダーシップや課外活動などを行なっている場合、そのことについて書いても良いでしょう。
しかし理系の学生にとって何よりも大切なのは研究能力です。
例えば「アルバイトでお金の大切さを学んだ」のような就活で使うアピールは、理系の大学院では全く評価されないはずなので、書くのはやめましょう。
すべてのアピールポイントは研究能力へつなげるようにします。
最後に
現在行なっていることは、入学後に行いたいことに説得力を持たせるために必要なことです。
特に今の段階で研究に打ち込んでいるとは言えない学生が、「入学後にこんな研究をしたい」と言っても誰も信じてくれません。
説得力を持たせるためにも「今」の行動に気をつけて毎日を過ごすようにしてください。